はたらく細胞 ぜん息特別編
Cells at Work!: Asthma!

漫画:クロ 監修:清水 茜(『はたらく細胞』)
第2話
活性化する好酸球
教えて永田先生~治療薬編~
- ぜん息治療薬にはどんなものがあるのですか?
- 基本の吸入ステロイド薬に加え、数種類の気管支拡張薬などがあります
-
ぜん息の治療薬は、増悪を予防するために毎日服薬する「長期管理薬」と症状が出た時(増悪時)に使う「増悪治療薬」の2種類があります。
長期管理薬(コントローラー)
まず、ぜん息管理の第一選択で、毎日吸っていただくのが
- ICS(吸入ステロイド)
- 気道の炎症を抑えるぜん息の基本治療薬
- LABA(長時間作用性β2刺激薬)
- 気道を長時間広げておく吸入薬
- LAMA(長時間作用性抗コリン薬)
- 気道を広げる飲み薬
- LTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬)
- ぜん息の気道に出てくる、
収縮させる物質を抑制する飲み薬 - テオフィリン徐放製剤
- 気道を広げる飲み薬
- 生物学的製剤
- 気道炎症をターゲットとした注射薬。好酸球を増やすインターロイキン(IL)-5の阻害薬などが含まれる。2~8週間の頻度で皮下に注射する。経口ステロイド薬の使用を減らしたり、増悪回数を減らす力がある
- 経口ステロイド薬
- 強力に気道炎症を抑える。専門医による管理が必要で、複数の長期管理薬で治療を充分に行ったうえで、最少量の使用に限定する
増悪治療薬
- SABA(短時間作用性吸入β2刺激薬)
- 増悪時に速やかに気道を広げて呼吸を楽にする
現在の治療を続けていてもぜん息症状が残る場合は、専門医を受診したり、主治医の先生に他の治療選択肢について聞いてみたりしましょう
一般社団法人日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会
監修:喘息予防・管理ガイドライン2021
監修:埼玉医科大学 呼吸器内科 教授/埼玉医科大学病院 アレルギーセンター センター長 永田 真 先生治療ステップ
ぜん息の治療は、重症度によって下記のステップで治療薬が推奨されています。まずは、ICS(吸入ステロイド薬)を必須の基本治療として、重症になるほど薬剤を増量したり、種類を増やしたりしてコントロールを目指します。生物学的製剤と経口ステロイド薬は専門医にご相談ください。
薬以外の治療もありますが、省略しています
その他、病因アレルゲンが室内塵中のダニの場合には、原因療法の「アレルゲン免疫療法」があり、ガイドラインでも推奨されています。これは専門的で長期間をかけて行う治療ですので、専門医にご相談ください。
©清水 茜・クロ/講談社