監修:近畿大学病院 病院長 アレルギー学会理事長 東田 有智 先生
ぜん息患者さんの気道では、生体内に存在する白血球の一種である好酸球が増殖し、活性化しています。活性化した好酸球は気道上皮を傷つける組織傷害タンパク(顆粒)をたくさん放出しており、それによって気道に炎症が起こり、過敏になり、発作が起こりやすくなります。
通常、気道組織生検など身体に負担がかかる検査が必要ですが、気道の好酸球の一部は、血液中の好酸球が移動したものであるため、血液中の好酸球を確認することで、気道の好酸球を推測することができます。
血液の量は体重の約1/13とされ、体重60kgの場合は約4.6ℓです。血中好酸球数が300/μℓだった場合、血液1μℓ(100万分の1ℓ)中に300個好酸球があることを意味するため、からだ全体の血液中では約13億8千万個あることになります。
生化学辞典(第3版): 東京化学同人. P452, 1999