ぜん息の重症度とは?
ぜん息の重症度は軽症間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の4段階に分けられます。
当然のことながら軽症と重症では症状も大きく違いますし、治療も大きく異なります。ガイドラインに沿って、症状の程度や呼吸機能の結果によって医師が重症度を判断し、それにあった薬の種類や量を選びます。
ぜん息重症度の分類
- *1:
- いずれか1つが認められればその重症度と判断する
- *2:
-
症状からの判断は重症例や長期罹患例で重症度を過小評価する場合がある。
呼吸機能は気道閉塞の程度を客観的に示し、その変動は気道過敏性と関連する。
%FEV1=(FEV1測定値/FEV1予測値)×100、
%PEF=(PEF測定値/PEF予測値または自己最良値)×100
出典:一般社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
- PEF(ピークフロー値)
- ぜん息の重症度は軽症間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の4段階に分けられます。
当然のことながら軽症と重症では症状も大きく違いますし、治療も大きく異なります。喘息予防・管理ガイドラインに沿って、症状の程度や呼吸機能の結果によって医師が重症度を判断し、それにあった薬の種類や量を選びます。 - %PEF
- ピークフロー値の基準値に対する測定値の割合です。基準値は、性別・身長・年齢からピークフロー値の標準値(PEF予測値)または今まで測定した最も高いピークフロー値(自己最良値)を用います。80%以上であれば呼吸機能が良好な状態とされています。
- FEV1
- 呼吸機能検査で測定できる、息を思い切り吸ってできるだけ速く吐き出した際の最初の1秒間で吐き出した息の量のことです。ぜん息の方ではこの値が小さくなる場合が多く、診断や治療効果の評価に役立ちます。
FEV1(1秒量)の基準値(予測値)に対する測定値の割合を%FEV1といいます。 - %FEV1
- FEV1(1秒量)の基準値(予測値)に対する測定値の割合です。基準値(予測値)は、性別・身長・年齢・体重から求められます。80%以上であれば呼吸機能が良好な状態とされています。
ぜん息の治療ステップとは?
ぜん息の治療も、4つのステップに分かれています。治療の開始時に、ぜん息症状と治療状況を総合してどの治療ステップかが決定されます。ぜん息は気道炎症がもととなっているため、どのステップでも抗炎症作用の強い吸入ステロイド薬が基本治療となっています。最近では、気管支を広げる作用のある長時間作用性β2刺激薬と吸入ステロイド薬が一緒になっている配合剤がよく用いられます。これは、治療ステップ2から使用されます。
ぜん息治療ステップ
- ICS
- : 吸入ステロイド薬
- LABA
- : 長時間作用性β2刺激薬
- LAMA
- : 長時間作用性抗コリン薬
- LTRA
- : ロイコトリエン受容体拮抗薬
- SABA
- : 短時間作用性吸入β2刺激薬
- 抗IL-5Rα鎖抗体
- : 抗IL-5受容体α鎖抗体
- 抗IL-4Rα鎖抗体
- : 抗IL-4受容体α鎖抗体
出典:一般社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
ぜん息患者さんでは、気道に慢性的な炎症がある状態が続くと、ますます気道が刺激に過敏になって、症状の急な悪化(増悪)が起こりやすくなったり、症状が重くなったりします。
ぜん息患者さんの中には、吸入ステロイド薬を1日に吸入できる最大量まで使い、複数の薬を併用しても、夜間にしばしば咳で目が覚めるなど日常生活が影響を受け、コントロールが難しい方が少なからず存在します。
ぜん息コントロール状態の評価
- *1:
- 1日2回測定による日内変動の正常上限は8%である1)
- *2:
- 増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価する
出典:1)Reddel HK. et al.: Am J Respir Crit Care Med. 180: 59-99, 2009
一般社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
このような方には、より効果の強い経口ステロイド薬が使用されることがあります。
このように、治療を行っていても症状がなかなかおさまらない患者さんは一般に、重症ぜん息(難治性ぜん息)といわれます。
ぜん息の検査について
ぜん息を診断したり、状態をチェックするために、検査を行います。
検査はいくつかの種類があり、目的にあわせて、ひとつまたは複数の検査を行います。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 気道過敏性試験
- 血液検査
- 皮膚反応テスト
- 胸部レントゲン検査
- その他の検査(気管支鏡検査など)
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ぜん息のタイプとは?
ぜん息にはさまざまなタイプがあります。
ぜん息の気道の炎症は、好酸球、リンパ球、マスト細胞などさまざまな免疫細胞が中心となって起こっており、検査により判断できる特徴によってタイプ分類されています。
そのタイプは、子供のころからぜん息がある小児発症型や、大人になってからぜん息になる成人発症型、アレルゲンに対する抗体であるIgE が検出されるアトピー型とIgE が検出されない非アトピー型、BMI が高い肥満型などがあり、さらにこれらが重なり合うことで患者さん毎に多様な特徴がみられます。
また、そのタイプは、喀痰(かくたん)(吐き出した痰(たん))の中の免疫細胞によっても分類されており、その約半数は、好酸球が原因の好酸球性ぜん息といわれています。好酸球性ぜん息の他にも、好中球が気道の炎症に関与する好中球型ぜん息や一部の患者さんは、好酸球と好中球のどちらも関与する混合性の炎症がみられる場合もあります。
出典:一般社団法人日本呼吸器学会:難治性喘息診断と治療の手引き 第2版 2023
重症ぜん息にはさまざまなタイプがあり、子どものときに発症し罹病期間が長い場合だけじゃなく、成人してから発症し罹病期間が短くても呼吸機能が低い方がみられます。
重症ぜん息の患者さんの約50%が好酸球性炎症だといわれています。一部の患者さんは好中球性の炎症が主体となったり、好酸球と好中球のどちらも関与する混合性の炎症がみられる場合もあります。
成人発症で持続性の好酸球性炎症を認め、副鼻腔炎や鼻茸と関連がみられる方も存在します。
Schleich F. et al.: Respir Med. 108: 1723-1732, 2014改変
ぜん息の気道はどうなっている?
好酸球は血液中の白血球の一種で、健康な人では特に悪さをしません。
しかし、重症ぜん息患者さんの気道では、好酸球などが増殖し活性化することで、気道の表面が傷ついて、炎症が起こり過敏になっているため、少しの刺激で収縮が起こります。
出典:一般社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
好酸球数などは一般的な血液検査の項目に含まれることが多いので、あなたは過去に好酸球数などをはかったことがあるかもしれません。
次のような症状がある場合、好酸球数をはかる検査を受けるべきかどうか、医師に相談してみてください。
- ぜん息症状をコントロールするために増悪治療薬を使用している
- ぜん息症状のために夜間に目が覚めることがある
- ぜん息のために経口ステロイド薬を服用しなければならないことがある
- 予定外受診が必要となるぜん息増悪を経験したことがある
重症ぜん息かもしれないとお考えの場合は、医師に相談しましょう。
主治医からお近くの専門医への紹介を提案される場合がありますが、患者さんの方から主治医に専門医への紹介を相談することもできます。
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治療していてもぜん息の症状でお悩みの方、好酸球性ぜん息について知りたい方は、医師に相談しましょう。
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ぜん息患者さんの体験談を読んで、ぜん息についてもっと知りましょう。


