専門医からのメッセージ
Messages From Doctors好酸球(こうさんきゅう)などがもたらす気道炎症を抑えて
健康な人と変わらない日常生活を
東田 有智 先生
適切な治療で、ぜん息のない人と同じ生活も
- ぜん息をコントロールできないケースは多いのですか?
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「夜眠れない」「仕事を休まざるを得ない」「家事を中断してしまう」「発作が怖くて外出や旅行をためらう」など、ぜん息がもたらす日常生活のお悩みをよく聞きます。そうした制約を仕方がないものと、あきらめてしまう方も少なくありません。
- よい解決策はあるのでしょうか?
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近年、ぜん息が起こるメカニズムが解明され、その治療法は大きく進歩しました。治療の目標は今や、ぜん息のない人と変わらない日常生活を送れるようにすることとされるまでになっています。「仕方がない」と思わずに適切な治療をすれば、健康な人と同じように仕事や趣味を十分に楽しめるようになる場合もあるので、ぜひ、ぜん息医療の専門医にご相談いただきたいと考えています。


気道の炎症を抑えることが、ぜん息治療の基本
- そもそもぜん息ってどんな病気ですか?
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ぜん息は慢性的な炎症によって気道が狭くなる病気です。この炎症は、好酸球やリンパ球などのさまざまな免疫細胞が中心となって生じています。とりわけ好酸球は、ぜん息に対して悪玉であることが近年の研究でわかってきました。ぜん息の治療では、こうした物質の働きを抑え、症状の急な悪化(発作)を起こさないことが大切です。
- 具体的な治療法を教えていただけますか?
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薬は、気道の炎症に直接作用し、少ない用量で炎症をもたらす物質やそれによる炎症を鎮めます。吸入ステロイド薬できちんと治療すれば、90%以上の患者さんは症状のコントロールができるようになるとされています。ぜん息治療で大切なことは、この薬を毎日きちんと服用し続けることです。息が苦しくなったときにだけ発作止めの薬を吸入していたり、症状がないからと自分だけの判断で薬を中断したりすると、ぜん息の悪化につながります。
出典:一般社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
- 吸入ステロイド薬だけでコントロールできないときは?
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従来の治療や経口ステロイド薬のたび重なる使用、さらには予定外の受診、入院が必要となるような重症ぜん息の患者さんには、従来の治療薬に加え、他の治療選択肢が検討されます。そのひとつが「生物学的製剤」で、ピンポイントで原因物質に効果を発揮するのが特徴です。従来の治療薬と新たな生物学的製剤などの組み合わせにより、今後ますます多くのぜん息患者さんが、治療の目標を達成できるようになるでしょう。


治療に関する正しい情報を入手してほしい
- 患者さんが心がけるべきことは何でしょうか?
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吸入ステロイド薬を基本とした治療をきちんと行っていてもぜん息のコントロールが難しいときの原因はさまざまです。患者さんご自身が、ぜん息がいまどのような状況にあるのかを把握することで改善への道が開けることもあります。ぜん息症状のために生活に何らかの障害や不安を感じる方、なかなか症状が改善しないと感じている方は、専門医や拠点病院を一度受診するのも良いでしょう。
- 最後に患者さんへのメッセージをお願いします
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ぜん息は、きちんと治療すれば良くなる病気です。病状に応じた治療法も相次いで開発されています。一人でも多くのぜん息患者さんが自分のぜん息症状を正しく理解し、正しい情報に基づいた治療を行って、健康な人と変わらない日常生活を送れることを願っています。


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