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専門医からのメッセージ

Messages From Doctors

「健康な人と変わらない生活」こそが
患者さんと医師がともに目指すべきゴールです

筑波大学 医学医療系 呼吸器内科 教授 檜澤 伸之(ひざわ のぶゆき) 先生
筑波大学 医学医療系 呼吸器内科 教授

檜澤ひざわ 伸之のぶゆき 先生

檜澤先生は、茨城県の呼吸器診療を支える筑波大学附属病院・呼吸器内科で重症ぜん息を含め数多くのぜん息患者さんの診療にあたる、ぜん息治療のエキスパートです。長年、ぜん息を含むアレルギー疾患の研究に携わり、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医なども務めていらっしゃいます。

治療の目標は、健康な人と変わらない生活です

ぜん息患者さんは、どんなことにお困りですか?

患者さんの訴える症状はさまざまですが、とくに多いのは咳と息苦しさですね。重症の場合は、息苦しさがなくならず、ひどい咳や急な症状の悪化によって「仕事が普通にこなせない」「学校に通えない」「外出をためらう」など、日常生活が大きく制限されてしまうことがあります。また、患者さんの睡眠に影響を与えることもあります。こうした状況を「ぜん息だから仕方ない」と思ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった状況が改善される見込みはありますか?

ぜん息の治療はこの10年で大きく進歩しています。治療の目標が「健康な人と変わらない日常生活が送れること」とされるまでになりました。トップアスリートのなかにもぜん息の方がいることをご存知でしょうか。彼らはぜん息があっても、世界を舞台に活躍を続けています。言い換えれば、適切な治療を受けることによって、運動をしても問題がない状態にまでなれる可能性があるということなのです。

治療の基本は、気道の炎症を抑えることです

ぜん息の治療方法について教えてください

ぜん息は気道が慢性的に炎症を起こして狭くなる病気です。そのため、炎症を抑える吸入ステロイド薬をベースとして、気道が狭くなった際には気道を拡げる気管支拡張薬も使用します。このような治療をきちんと行うことで、多くの患者さんの症状はコントロールできるのですが、症状がおさまらない場合には、吸入ステロイド薬がきちんと吸えているか、症状が少しおさまったからといって吸入をやめてしまっていないかなど、もう一度確認することも大切です。

気道の炎症は、どのようにして起こるのですか?

主に好酸球やリンパ球などの免疫細胞が気道を傷つけてしまうことによって起こっています。症状が出ていなくても炎症は続いているため、治療を継続することが非常に重要です。禁煙する、ペットとの生活環境を見直す、鼻炎・副鼻腔炎などを合併していないかを確認し治療する、といったことが必要になる場合もあります。

ぜん息治療にはさまざまな選択肢があります

従来使っている薬剤だけでコントロールできないときは?

吸入ステロイド薬を続けて使っても、週に1回以上夜間のぜん息症状や咳がなくならない場合は、ぜん息がコントロールできていない状態である可能性があります。その場合は、他の治療選択肢を検討します。治療選択肢の一つに、好酸球など、気道の炎症の原因となっている物質をターゲットにして働き、原因物質以外の細胞には作用しない「生物学的製剤」というものがあります。ぜん息にはさまざまなタイプがあり、患者さん一人ひとりで症状や原因が異なります。基本的な治療でぜん息の症状が取れない患者さんが自分に合った治療方法を見つけるうえで、生物学的製剤という治療の選択肢が増えたことは朗報ではないでしょうか。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします

ぜん息治療の目標は「健康な人と変わらない生活が送れること」であり、これは患者さんと医師がともに目指すべきゴールです。吸入ステロイド薬や気管支拡張薬で継続して治療していても、普通の生活に到達していないと感じられる患者さんは、かかりつけの先生に一度ご相談のうえ、呼吸器専門の病院、ぜん息やアレルギーを専門とする病院を受診していただきたいです。夜ゆっくり寝られる、運動しても発作が起こらない、どこにでも気兼ねなく外出できるなど、一人でも多くのぜん息患者さんが病気を意識しないで日常生活を送れるようになることを願っています。

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    広島アレルギー呼吸器クリニック 理事長/統括院長 広島アレルギー呼吸器クリニック八丁堀 院長 保澤 総一郎(ほざわ そういちろう)先生
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    松永まつなが 和人かずと 先生

    山口大学大学院医学系研究科 呼吸器・感染症内科学講座 教授 山口大学医学部附属病院 病院長 松永 和人 (まつなが かずと) 先生

まずは、ぜん息の状態を
よく知ることがとても大切です。