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専門医からのメッセージ

Messages From Doctors

一人ひとりの症状に合った個別化医療が
患者さんの生活の質の改善につながります

藤田医科大学 名誉教授 豊田地域医療センター 院長 堀口 高彦(ほりぐち たかひこ)先生
藤田医科大学 名誉教授 豊田地域医療センター 院長

堀口ほりぐち 高彦たかひこ 先生

ぜん息治療の第一人者として、愛知県の藤田医科大学で名誉教授を務める堀口先生。アレルギー疾患の悪化要因の精査や、重症・難治性ぜん息の治療に取り組んでいらっしゃいます。

ぜん息患者さんは、自分の症状を軽視する傾向に

患者さんは、どんなことにお困りですか?

「仕事にいけないほど咳が出る」「映画館など静かな場所で咳の発作が起こる」「夜中の咳で寝ている家族が目覚めてしまう」など、日常生活で周りの人に心配や迷惑をかけてしまうことを気にかけて、不安に過ごしているぜん息患者さんがたくさんいらっしゃいます。ところが一番苦しいときが過ぎてしまうと、診療時に状態を尋ねても「問題ありません」と答えられるんですね。本当は症状が残っているのに……。

どのように、先生に相談したらよいのでしょうか?

一番苦しい状態と比べたらましだから、と思っても遠慮せずに、なんらかの症状があるときはしっかり医師につらいときの状況を伝えてほしいです。手帳にメモしておいたり、携帯に打ち込んでおいたりしてもいいかもしれません。「自分の状態にあった適切な治療を行えば、健康な人と変わらない日常生活を目指すことができる」、そのことをすべてのぜん息患者さんとそのご家族に知っていただきたいと思います。

治療の基本は、継続的に気道の炎症を抑えること

どのように、先生に相談したらよいのでしょうか?

ぜん息は症状がないときも気道に慢性的な炎症があり、それによって気道が狭くなります。この慢性気道炎症は好酸球やリンパ球などのさまざまな免疫細胞が中心となって生じています。なかでも好酸球は、ぜん息に対して悪玉であることが研究で分かりはじめ、ぜん息の状態を把握するための指標として参照されるようになっています。ぜん息治療の基本は、こうした物質の働きを抑え、症状の急な悪化を起こさないことです。

どんなお薬が使われていますか?

主に、気道の炎症を抑える作用のお薬と、気管支を拡げる作用のお薬があります。現在、多くの患者さんが使っている吸入ステロイド薬には、少ない用量で気道の炎症を抑える作用があり、きちんと継続的な治療ができていれば、90%以上の患者さんが症状をコントロールできるようになるとされています。息が苦しくなったときにだけ気管支を拡げるお薬を吸入していたり、症状がないからと自分の判断でお薬の使用をやめたりしていると、ぜん息が悪化してしまう可能性があるため、気道の炎症を抑えるお薬を毎日服用し続けることが大切です。

症状が抑えられない、残り10%の患者さんには?

まずは吸入指導やお薬の追加を検討します。それでも発作をくり返し、予定外の受診や入院が必要となる重症の患者さんには、他の治療選択肢を検討します。そのひとつとして「生物学的製剤」というお薬があります。これは気道炎症をひき起こす原因物質だけをターゲットにして、他の細胞には作用しないのが特徴です。ぜん息の原因や特徴に合わせた個別化医療を行うことで、患者さんの生活の質が改善され、ご家族や周囲の方の安心にもつながっていくと考えています。

患者さんとお医者さんの信頼関係が大切

最後に患者さんへのメッセージをお願いします

私自身について言えば、長い経過を診るぜん息治療では、ご家族や親せきになったつもりで患者さんと向き合っています。一緒に治療を進めて苦しい状況を乗り越えると、お互いの信頼関係が自然と生まれてきて、その後の治療も良い方向に進むように思います。ぜん息は、病状に応じてきちんと治療すれば良くなる病気です。自分のぜん息症状を正しく理解し、正しい情報に基づいた治療を受けて、一人でも多くのぜん息患者さんが健康な人と変わらない日常生活を送れることを願っています。

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    山口大学大学院医学系研究科 呼吸器・感染症内科学講座 教授 山口大学医学部附属病院 病院長 松永 和人 (まつなが かずと) 先生

まずは、ぜん息の状態を
よく知ることがとても大切です。